2010年10月13日水曜日

岡崎図書館サイバーテロ事件について

今日は,昨日の講義で質問のあった「岡崎図書館サイバーテロ事件」についてです。
質問では,「岡崎図書館サイバーテロ事件について触れ,意図しないことで犯罪者になってしまう危険性があることがわかり,私たちはどうしたらよいのか?」という内容でした。

まず,岡崎図書館サイバーテロ事件についてご存知ない方もいると思いますので,事件の概要を説明します。

ある男性が,自作のプログラムで岡崎図書館にアクセスし新着の図書情報を集めたところ,サイバー攻撃を受けたとして逮捕されたという事件です。
その後,図書館で使われていた三菱電機インフォメーションシステムス社のソフトを朝日新聞が入手し,情報セキュリティ研究のプロに,逮捕された男性のプログラムと共に,解析を依頼したところ,図書館のソフトに不具合があり,結局男性のプログラムに違法性がなかったということでした。
地検の方は,業務妨害の意図はなかったとして,起訴猶予処分(不起訴処分)となっています。

記事の詳細は,朝日新聞社の記事を直接読んでください。図と共に解説されています。

今回の事件について,逮捕されてしまった男性が,事件についてのブログを公開しています。
もし,興味があれば,どんなことが起こっていたのか,ブログで本人の言葉を聞いてみていください。

Librahack:容疑者からみた岡崎図書館事件

#コメント欄にありますように,ご指摘いただいたように,誤認識箇所があり,短絡的に喩えたことで誤解を与えるような表現になってしまいましたので,該当箇所を削除しています。

7 件のコメント:

  1. 自動車の例えは、公道(www)と私道(図書館内)が一緒に論じられている例えで適切とは思えません。
    私道内のことを知った上で使わないと逮捕ってことになっているのが岡崎市立中央図書館の利用者逮捕事件だと私は考えています。
    私道内の公開されていない制限や制約は超能力が無いとどんな勝手なルールや制限があるかわかりません。

    返信削除
  2. >ある会社の車を1分ごとにひっきりなしに東京から大阪まで東名高速道路を使い無限に向かわせたらどうでしょう。きっと,道路は渋滞し,他の人は利用ができなくなります。交通機関を麻痺させてしまうことになりますよね。

    なりませんよ。東名高速つかったことないんですか?

    返信削除
  3. >地検の方は,業務妨害の意図はなかったとして,起訴猶予処分となったのですが・・・。

    ですが、何でしょうか?
    「図書館のソフトに不具合があり」って書いてらっしゃるように、「濡れ衣」だったわけですよね?

    また、高速道路の話はトラヒックの話とアプリケーションのパフォーマンスの話がごっちゃになっていて、的外れの比喩のように思いますよ。

    返信削除
  4. すみません。デジタルディバイドを誤用しているように見えるのですがいかがでしょうか?引用された朝日新聞の記事もきちんとお読みになっていますか?

    学問として「情報と社会」というものを教えていらっしゃるようにお見受けしますが、私にはこの投稿にそもそも依って立つ論拠を見いだせませんでした。日本が法治国家の拠り所とするところが判例主義(及び明文法)であるが、それに従って行動した(行動するべき、といった方が正しいですけどね)検察の判断を否定し、現実問題として存在する慣習法的文化(記事内で言及される「マナー」がこれに当たると私は考えています)をどのように定義するのか、また、それによってどのような視点から主義主張をなすか、がはっきりしていないように感じられます。そもそも基盤となる「何か」がありそれに基づいて議論が展開されるべき、という学問の前提条件を満たしているとは考えにくいと思っております。

    また、国家権力としての警察、及び検察が専門家以上の専門性を持つべきかどうか、また、持たなくてよいとした場合にそれらの権力がどういう基準で行使されるべきかという点について一般に議論がなされている、と個人的には解釈しているのですが、記事内の質問からはそうではない文脈でこの事件に言及されたのではないかと読み取っていますが、どのような形でお話をされたのでしょうか?

    そもそも、「意図しないことで犯罪者になってしまう可能性」を考慮する際に「マナーを守りましょうね」、というのは、突然日本に放り出されてしまった日本を全くしらない外国人に突然「日本という国についてどう思いますか?」とインタビューをするかのような唐突さがあると思いますが…。

    これらについて、どうお考えでしょうか?是非ご意見をお聞かせください。

    # 申し訳ありません。一部ミスがあったので再投稿させていただきました。基本的な内容は上記と変わりありません。

    返信削除
  5. 岡崎市立中央図書館利用者逮捕事件を「サイバーテロ」と表現するのも不適切だと指摘します。

    サイバーテロと誤認して捜査すべき事項をおよそ捜査せず、見込み捜査と事前ストーリーと警察検察の面子等で起訴猶予になっていると断言して良いくらいな事件です。

    サイバーテロであるなら被疑者の故意性が明確にされているはずですが被疑者は図書館を便利に使いたかっただけです。

    その行為がクローラであり、そのアクセス頻度はサーバ負荷を考え大量とは言えないレベルであり、サービス不具合と言う面におけるサーバ側リソースを使い切るまではその頻度でサーバは十分に応答も出来ている頻度です。
    ブラウザの4~平行な問い合わせに比しても緩やかな単一の問い合わせの連続でしかありません。

    テロ=攻撃=故意

    これを安易に連想させる表現は全く不適切と言えます。

    返信削除
  6. guteiさん

    ご指摘ありがとうございます。
    確かに,交通の喩は,短絡的に書きすぎました。
    誤解を招いてしまい,申し訳ありません。
    おっしゃる通りだと思います。

    Daisuke Yさん,山本大輔さん

    >ですが、何でしょうか?
    >「図書館のソフトに不具合があり」って書いてらっしゃるように、「濡れ衣」だったわけですよね?

    不起訴処分(起訴猶予処分)になっていますし,新聞社の検証の結果,濡れ衣だと言われています。
    「ですが・・・」としたのは,特に意味はなかったのですが,不起訴処分になったけれど,業務妨害する意図はないのに逮捕されてしまった。ということを表現したつもりでした。

    交通に関しての比喩は,短絡的でした。


    nayutaさん

    ご指摘ありがとうございます。
    記事のみで詳細を理解していなかったため,かなり誤解した状況で記事について記載していたようです。誤解を与える文章となっていたこと,申し訳ございません。
    togetterやLibrahackさんのまとめられたブログなどを読み直し,今回の事件について内容の確認をしていますが,確かに,今回の事件での本質的な問題を取り違えておりました。

    返信削除
  7. 該当箇所を削除する対応は不誠実だと思います。
    明示的に取り消し、その理由やどう解釈し直したのかを明記して説明すべきではないですか?

    失礼ながら、
    事象・事実に対して確認や検証も行わずに話をされる人であり、ミスの指摘には誠実に対応されるが、ミスやその発生した認識の甘さに関する詳細は訂正せずに隠す人という印象を受けます。

    返信削除